2010年02月28日
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先日、以下の記事を書きました。
2010年02月26日:回線の増強

お客様から、かなり満足いただけたようで僕としてもとてもうれしいです。ということでやや詳しく内容を書きたいと思います。

まず最初は以下のような状況でした。
Before
提案

ここでは拠点ごとのセグメントしかなく、1拠点1セグメントで運用されていました。そして拠点Bについては、すでにPCの台数も多く、運用の限界が近づいていました。IPアドレスの重複もよくおきていたようですし、トラフィックの低下やループの発生で全体のネットワークが停止するなど、毎日なんらかのトラブルが発生していたようです。
さらに、拠点間のトラフィックが多いことから、ルーターが毎日のようにハングアップしていたようです。

これらについて、「とりあえずなんとかしたい」という相談を受けたのがそもそも発端でした。

ネットワークの利用状況をヒアリングすると以下のとおりでした。
・拠点間の通信が多い
・セグメントAとセグメントBではそれぞれ2社が利用している。
(つまり2社が同一セグメントで運用されていました。)
・トラフィックデータはイラストレータなどの画像関係
・ルーターがハングアップするので外出もままならない
・ループが定期的に発生するのでなんとかしたい
・大規模な構成変更について運用停止を伴う場合には慎重に行いたいし、できれば平日に行いたい

この状況を聞き、またトラブルの切り分けの容易さなどを考え、L3を使ったネットワークを提案しました。
■提案
提案2

ここで拠点ごとにセグメントを分割し、1社1セグメントがいいのではないかと思いました。責任の点やトラフィックの影響、セキュリティなどからです。しかし機器代がかかることや、大規模なので比較的長時間の運用停止が発生することがデメリットです。
なおこの構成では、既存の100M回線はバックアップとして残してあります。予算との兼ね合いで、1Gのみでも問題ありません。ただし回線が停止した場合には目も当てられない状況になってしまいます。
この時点ではまだ弊社の実績が無いため、正直ここまで受け入れていただくのは難しいのではないかと考えていました。

そこで現実的な案として以下のような提案をしました。
提案
提案3

ここでトラフィックについて大変デリケートに考えていたので、1Gの回線を引く提案をしました。本来であれば100Mでも大丈夫だと思いますし、予算も抑えられるのですが速度重視ということでこちらにしました。

またL3はとりあえず利用せずにルーターをセグメントごとに置くことにしました。セグメントの分割は、クライアントの設定変更や工場の機器設定変更が必要になるため、最低限B拠点のみとしました。

既存環境がほぼ残るため、少数の機器の設定変更で完了すること、大きな影響が出にくいことから、この構成を実行し、様子を見る事になりました。

その作業が先日の記事に書いたとおりです。
もともとサーバーなどの機器がボトルネックになっているのではなく、ネットワークが原因だったのでかなり改善されました。
これによって、当初のヒアリングで聞いた問題点について、ルーターは落ちなくなったそうです。ループは現状発生していませんが、仕組みで回避する設定は今回は行っていません。作業は平日(金曜)の夜19時〜23時で完了しました。なお実質的には21時ごろに作業完了しましたが、テスト等も含めて完全に終わったのは23時を過ぎたころでした。



stock_value at 17:29│Comments(0)TrackBack(0)技術:2010年 

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