2010年05月25日
このエントリーをはてなブックマークに追加
前提として、見積を作成するときに原価の確定が重要になっています。案件単位で考えた時に利益率などを正確に把握するためです。

そんな中、会社で以下のような話が出てきました。
・自分で完結させる作業については人件費(人工(にんく))を計上しない。

さて僕はこの方法には大きな問題があると考えています。

まず基本的な見積を作ると簡単には以下のようになります。

見積価格: 10万
人工: 6万
----------------
利益: 4万
率: 40%

他社の例というのを知りませんが、大幅に単純化したときには上記の通りで、6万の人工がかかるけども、お客様に10万を請求するので十分な黒字が出ています。

そして会社はこうした数字を積み上げることによって様々な予測をしていくと考えています。


一方で、自己完結の作業について人件費を計上しなければ、上のような場合に、利益が100%になってしまいます。しかし当然のことながら作業を行っているので、経費としての人工は発生しています。これが数字からは一切見えてこなくなってしまいます。

さらに単純な例を発展させ、

・AさんがBさんを手配する案件(1) 見積10万 - 人工6万 = 利益4万(40%)
・AさんがCさんを手配する案件(2) 見積10万 - 人工6万 = 利益4万(40%)
-------------
計: 見積20万 - 人工12万 = 8万(40%)

となります。これは営業担当のAさんがBさんCさんをそれぞれ手配した場合です。

しかしこれが

・Aさんが自分で案件を処理した場合 見積10万 - 人工なし = 利益10万(100%)
・Bさんが自分で案件を処理した場合 見積10万 - 人工なし = 利益10万(100%)
-------------
計: 見積20万 - 人工なし = 20万(100%)

ということになり、最初の8万の利益と20万の利益となります。ほとんど内容が変わらないのにここまで利益に差がでてしまいます。

そもそもこうした数字をハッキリさせるのは、何よりも経営の指標になるからです。操作可能な算出方法にすることによって、あいまいにするべきではないと僕は考えています。


stock_value at 12:11│Comments(0)TrackBack(0)考え 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔