2005年03月12日
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僕は自営業を細々としています。
先日、小さな会社のファイル共有を設定しに行きました。

セキュアな設定を行うことや、今後の PC 環境を初期の段階から整備するのはとても大切だと考えているため、 Windows ドメイン環境を提案しました。

セキュアな設定が可能であることや、今後の展開に Windows ドメインは有用であることを納得いただき、設定を行いました。

ドメインの構築は特に問題なく終了し、クライアントもドメインに接続しました。そこまでは問題なかったのですが、ドメインに接続後、微妙に使い勝手が変化し、それが社長には受け入れられなかったようです。

Windows XP 環境では、ドメイン未接続時は、起動直後に「ようこそ」画面が表示されます。しかし、ドメイン接続後は、[ ctrl + alt + del ] を押し、ログインしてくださいといった表示が出ます。

こうしたことなど、細かい部分でどうも受け入れられなかったようなのです。

僕としては、構築規模の大小にかかわらず、説明・準備・実行・サポートまで、慎重に行います。止まることを最大のリスクと考え、行動します。そのため、作業に問題が無かったとしても、その後の、運用で今回のようなトラブルが発生するのです。

さらに追い討ちをかけるように、その会社では、サイボウズを中心に業務を行っています。
社内メールや、回覧、掲示板などを利用し、業務をこなしているのです。
また、サイボウズには、ファイル共有を行う機能があるということで、それを中心にセキュアな環境を確保するということでした

僕は、サイボウズを使ってファイルの共有を行うことに反対はしません。むしろ、どこからでもアクセスできる、利便性を考えると、むしろ良い事だとさえ思います。

しかし、今後その方法では行き詰まることはかなりはっきりと言えると思います。たとえば、ファイルのバックアップを取るときに、ファイルを個別に操作することは難しいかと思います。
また、サイボウズは全てのバックアップを取得すると、数ギガになることも珍しくありません。そうなると、バックアップの取得がしずらくなったり、ディスク容量を圧迫したりと、そうしたサイボウズ一辺倒の運用は、今後破綻するか、どこかにしわ寄せがくるだろうことが、容易に想像できるのです。

また、それとは別に、Windows ドメインで一括管理するのはメリットがあります。社内の PC 環境、アクセス権、社内 LAN への不正接続などを考えると、Windows ドメインで特にデメリットはありません。強いて言うのなら、PC を新規で購入した場合にセットアップが面倒になるといったことや、ライセンスぐらいです。

結局、今回の件は、社長が Windows ドメインの仕組みを理解できなかったことや、サイボウズでの運用を進めていった結果として、破綻が想像できないということに尽きると思います。

僕は、お客様の望む運用方法を最大限尊重し、その中でお客様に有用だと思う運用方法や手段を提案するだけです。今後、行き詰まったら、そのときに考えてもらえばいいと考えています。

しかし、最善な (と、システムの現場が考える) 運用方法を採用せずに、社長の一言できまるのは、なんともいえない気持ちです。

なお、今回の件では、
・ドメイン前、後ではほとんど操作は変わらない( 「ようこそ」画面が表示されなくなるぐらい )
・追加の費用は発生しない。すでにライセンス等については所有しています

ということで、そんなに大きなデメリットは無いのですが・・。

結局、すべてを理解することは社長にとってとても重要なことですが、そんなことは無理なのです。僕が将来社長を目指すときには、今回のようなことを強く心にとどめておきたいと思います。


stock_value at 18:52│Comments(0)TrackBack(0)日々:2005年 

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