2005年04月11日
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少し前の話題ですが、愛知万博会場への弁当の持込について話題となりました。
持ち込み禁止の理由としては、以下のようなことが考えられます。

・弁当持込者による食中毒の問題
・ゴミの問題
・食事スペースの問題
・雰囲気の問題
・会場内飲食店の問題

といったところでしょうか。

食中毒の問題については、ある種のいいがかりです。中毒のリスクについては、会場内の飲食店であっても、持ち込みの弁当であっても、大きくは違わないと考えられます。また、この場合重要なのが、もし個人が弁当で食中毒になったところで、会場側のコストは発生しないということです。自分の弁当で中毒になっても、責任はありませんし。
つまり、禁止の理由を中毒とするのは、やや根拠に乏しいのではないでしょうか。

ゴミの問題。
これは、結構な大きな理由と考えられます。弁当のゴミをいくら持ち帰るようにアナウンスしたところで、弁当持参者のインセンティブは会場にゴミを捨てることです。そして、それは会場側の処理コストとなります。コストをかけて "弁当" という、販売の利益にならない結果のゴミを処分するのは、非常に問題でしょう。その場合、会場側としては、弁当を持ち込み禁止とするインセンティブが働きます。

食事スペースの問題は雰囲気の問題とも関連しています。会場に余裕があるならともかく、おそらく結構キツキツでしょうから、そう考えると、食事をとるスペースを確保することは難しいと思います。そしてゴミ箱の設置スペースも必要ですし、さらにどこでも弁当を広げて食べられてしまうと、会場の雰囲気にも多少の影響を与えます。
場所の確保・ゴミ箱の設置・イメージへの悪影響。これらを考えると、持ち込み禁止のインセンティブとなります。

そして一番の問題は、会場内飲食店の問題です。通常、こうした会場内への出展はスペースを購入することが多いと思います。つまり会場側としては、飲食店への配慮として、当然持込を禁止する必要が出てくるのです。ビジネスに協力するためには、それは特に問題ではないでしょう。

しかし、ここで新たな問題が発生します。
飲食店側が美味しい、低価格な食事を提供するインセンティブを失うということです。
飲食店としては、お客が否応無くお店を利用します。そして飲食店を利用する理由は、お客としては「他の方法( 弁当等 )で食事ができないから」です。そうなると、価格や味は半ばあきらめて、お店を利用することになるのです。
そんな理由でお客が来るわけですから、お店としては割高な料金設定を行いますし、クオリティも落とします。

もちろん、スペースを購入している時点で、価格設定はやや高めになってしまうでしょう。( とはいえ、この辺は通常の出店でも費用がかかることを考えると、なんともいえませんが・・ )

以上のことを考えると、飲食店の安い・美味しい食事を出すインセンティブを回復させるためには、やはり 競争相手 = 弁当の持込を許可するのが妥当なような気がします。それはビジネスとしてはもちろん厳しくなりますが、顧客の満足度が高くなるのでその方がよりベストだと考えます。

混雑の問題もあり、ビジネスとしては非常に厳しくなるとは思いますが、そうしたことも含めてやはりビジネスにはリスクがついてまわるのではないでしょうか。



stock_value at 10:09│Comments(0)TrackBack(0)考え:04〜07年 

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