2005年08月08日
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道を歩いていると、白杖を使っている人が僕のところに来て、「すいません。駅はどこでしょうか?」と訪ねてきました。

白杖を使っていることと、歩き方などを考えると、盲目なのかもしれませんし、弱視なのかもしれません。

改めて考えると、目が不自由である場合に道を案内するというのは、非常に困難です。僕はその人に、「すぐそこにある大きな交差点を越えて、次の信号を左に曲がれば駅ですよ」という事を、まず言葉で伝えました。

しかし、その直後に言葉で "交差点" や "信号" を伝えたところで、分かるのでしょうか?もし僕が目をつぶって歩いた場合には、信号や交差点の区別はつきません。もちろん、相手は一人で行動するぐらいなので、人や車の流れから交差点の区別はつくかもしれませんが、僕は案内をする中で、言葉だけなのは問題なのではないかと思いました。

相手は、「すぐそこにある交差点 (信号機のない横断歩道) よりも先の交差点ですか?」と聞いてきました。

やっぱり分かってるんだなぁなどと思いながら、「はい、すぐそこの交差点は信号が無いので、そこではなくて、もう一つ先に大きな信号機のある交差点がありますのでそこを渡ってください。」と案内しました。
そして続けて、「なので、駅に行くには、(ここで相手の身体を反転させて) こっちの方にまっすぐ歩いていくと、今言った交差点があって、駅がありますよ。途中までは (歩道にある) 点字ブロック通りに歩いていけば問題ないと思います。」と伝えたのです。


さて、今回の短時間の道案内で色々と考えることがありました。

・白杖について
・案内の方法について
・相手の身体に触れて道案内をすることについて


白杖は、盲目の方が使い、目前の障害物や地形を判断するのに使うのですが、視力の状態によって使うか決まってくると思います。ようするに、いわゆる "全盲" ではなくても、光を感じられる状態でも使う人もいると思いますし、ひょっとしたら対象者・対象物は認識できなくても、うっすらと形は認識できる人も白杖を使うかもしれません。

つまり、 "白杖" という物からは、相手の事を把握するのは非常に困難だと僕は思います。弱視の人と、全盲の人に同じ案内方法が通用するとも思えません。もちろん、そう言うことまでを把握する必要があるとは思いませんが、そういう可能性を考えることは重要です。

さらに、案内方法についてですが、僕たちのような場合、目標となる物や何個目の〜といった案内方法で十分通じます。また今回のように駅といった大きな目標物の場合、途中まで行けば、周りを見回すことによって自力で探し出すことも可能でしょう。
道を聞かれたので条件反射的に、上記のように案内してしまいましたが、盲目の人が期待している案内方法は別である可能性があります。

そして、一番確実なのは、一緒に駅まで行くことでもあります。しかし、必ずしもそれがベストでないのがまた難しい所です。場所が複雑であったり、道が危険である場合は、直接案内する方が重要です。しかし今回の場合、道はまっすぐでしたし、距離も 100m ぐらいでそんなに遠くも無かったので、駅まで案内するのは、口で伝えるのがベストだと判断しました。しかし、ついていく方法、口で案内する方法についての判断は難しいところがあります。

今回案内をした後に一番考えたのが、相手の身体に触れて道や方向を指示したことです。というのは、突然知らない人に身体を触られるのは当然不快でしょう。しかも相手は僕の事を声や仕草でしか判断できません。僕がどんな人かも分からない不安な状態で (僕が) 突然身体に触れてきたのですから、不快・ストレスになる可能性は高いと思います。

また、盲目の方の場合、歩く時には頭の中で距離や方向を頭の中に描いている可能性があります。それが突然、僕が (相手の) 身体を反転させる事によって、頭に描いている空間が混乱してしまうかもしれません。

一方で、身体を触れて案内した方が手っ取り早いのもまた事実です。箸やスプーンなどについては、物を相手の手に直接持っていくのも有りですし、逆に相手の手を持って、スプーンや箸に誘導することも考えられます。
もちろん、スプーンなどの道具とは一緒ではありませんが、触れて案内することがすべて非だとも言い切れません。


以上のことを考えると、僕が今回した案内方法は、それ自体は間違いではないと信じたいのですが、しかし問題点や改善点もまだまだ多く残されているかと思います。

この記事については、僕の友人(盲目) に意見を求めそれについて、再度検証してみたいと思います。( 許可とれるか分からないけど・・ )



stock_value at 23:04│Comments(0)TrackBack(1)考え:04〜07年 

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1. 盲目の方へ道案内 その2 - 友人からの返信 -  [ こっそりと。 ]   2005年08月26日 10:28
先日の「2005年08月08日:盲目の方へ道案内」 を盲目の友人に読んでもらい感想をもらいました。 一応、今回のような試みは初めてであり、今後も試行錯誤してノウハウを得ていく中でとても重要な記事となるかもしれません。あくまでも今回の文章主体はその友人なのでそ....

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