2005年10月03日
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あまりこういった話題は取り上げることが少ないのですが、今回の記事については、少し考えさせられる部分が多くあったため、個人的なナレッジとしての利用も考えられるのでまとめておきたいと思います。

僕は、絶対に投資したくない企業というのがいくつかあります。それは社会的に営利活動に問題があるような事業内容であったり、企業統治が甘い場合などの会社です。

投資を考えるときに、事業内容などを調べたときに個人的な主観を含めて考えるようなことはしたくないですし、社会的な善や悪は決断が難しい場合も多くあります。

スーパーマーケットに投資する場合、いわゆる地元の商店から考えればそれは悪ですし、規模とか効率、結果的な消費者満足を考えると、スーパーの存在はもちろん悪ではありません。

そういったことは十分に吟味し、さらに自分の主観もある程度ふまえつつ、投資をしたくない事業というのもでてきてしまうのです。

しかし、そういった個人的に応援できない。という理由で投資をしない企業というのは仕方の無いことです。一方で、企業統治に問題があって投資をできないというのは非常に大きな問題です。

企業統治は、非常に重要な課題です。ステークホルダーを意識し、会社を運営していかなければなりません。

もちろん、企業統治というのは非常に難しいことです。企業は、ステークホルダーとして、従業員や、自身の保身を最優先として考えることが多く、株主は後回しにされがちです。
そうして批判を浴びつつ、少しずつ改善されていくことが望ましいことだと僕は考えます。株を買い進めることによって買収などを騒ぐのは意味の無いことです。一般的に、株を買い進められるのは割安に放置されていることがほとんどでしょうから、割安に放置しておく企業に問題があるのです。

そして avex ですが、そもそも事の発端は、社長が退社し、一転して復活するという騒動がありました。参考:yahoo検索『avex 社長 退任

社長の退任などはよくあることです。場合によっては、部下による退任や大株主の出現によって半ば追い出されるようなこともあるでしょう。しかし、株式会社や公開企業というのは、それもまた仕方の無いことなのです。

その騒動があったときに、アーティストを巻き込んで企業価値を大幅に低下させたのは、大きな問題です。業務が比較的特殊ですが、アーティストが生み出す大きな付加価値を社員が後押しするというビジネスでは、アーティストの存在が企業価値を左右します。一方で、そうした企業価値も含めたビジネスは通常、株主の所有であり、アーティストや社長自身には価値を低下させる方向に動かしてはいけないことでもあります。

しかし、その騒動では、恥ずかしげも無くごたごたし、価値を大幅に毀損させたのです。これは大きな問題ですし、企業統治が行えない種のビジネスモデルを採っていることの証明でもあります。

また、最近では著作権での問題があります。参考:yahoo検索『エイベックスのまネコ 著作権問題

音楽CDでは、消費者からの利便性を奪うというトレードオフを超えて著作権を守る方に動いていました。一方で、自分たちは著作権を平気でそして堂堂と侵害しているのです。これもまた問題です。

そして、収束のさせ方にも大きな問題があります。ひょっとしたらこの会社はワンマンの可能性があります。今までの感じからしても、意見の進言をしてもらえないような、ワンマン社長がとるであろう行動が随所に見られます。

"いわゆる「のまネコ」問題についての当グループの考え方" として発表された資料はおよそ公開企業の発表する文章とは思えません。少なくとも、Web に掲載され、今回のように多くの反響を呼ぶことになる文章については、十分な推敲がされるべきです。

今回掲載されることになった文章はあまりにも稚拙で非常にビックリしました。もちろん、今後 IR などにで、"公式な" 文章が株主その他に発表されるとは思いますが、それもまた興味深いものでもあります。( ただ、今の状況だと株主には発表されないかもしれませんが )

僕はおそらく avex に投資することはできないと思うのですが、それにしてもこの業界の企業統治について非常に勉強させてもらっています。



stock_value at 11:07│Comments(0)TrackBack(0)考え:04〜07年 

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