2005年11月11日
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以前何かの記事で読んだのですが、livedoor は社員が会社で使う PC を自分でするらしいのです。

そして、そのことを僕の付き合いのある会社から、相談されました。
「うちの会社もそのようにして管理したいんだけど。」と。

それをきっかけに、そうした管理方法について色々考えてみました。

ユーザ持込によるメリット
・PC 購入費の大幅な削減
・(希望的) ユーザの PC スキルが早く身につく
・資産管理の煩雑さがなくなる
・購入申請等の申請類が必要ない
・(非現実的な気もするが) 管理責任をユーザに問える
・(おそらく) 社内の情報共有の仕組みを http で行うのでノウハウがたまりやすい
(管理者は http の知識だけを得ればいいので)

※コストは大幅に削減されそうです。

ユーザ持込によるデメリット
・ウイルス対策などの最低限の対策が取りにくい
・ユーザの端末を把握しにくい(正規ユーザなのか、悪意のあるユーザなのか※社内に侵入されても気づかないでしょう)
・Active Directory のようなディレクトリサービスの仕組みを導入できない
・ファイルサーバのような仕組みを作りにくい(ID/パスワード等の問題で)
・PC に知識の乏しい社員は社内リソースにアクセスできない
・社員が勝手にサーバを立てる可能性がある(ファイルサーバ等)

※コストとのトレードオフで、セキュリティや管理者による管理が甘くなりそうです。


今回、相談を受けたときにその会社の PC の利用状況と、上記メリット・デメリットを考えたときに、その会社では、持ち込ませるという仕組みはどうも適合しないように思いました。

そもそも大前提として、社員個々の PC スキルが必要です。IPアドレス等は DHCP で配布するとして、プリンタのセットアップぐらいは自分で行う必要があります。それで最低限使えるようになるだけで、それ以外に個人の責任でウイルス対策を行ったり、パスワード管理等のセキュリティ、漏洩対策を行う必要があります。

当然、印刷ができなくなった場合、ネットが見れなくなった場合には、自分だけの事象なのか、全体的なのかハブ・ルータ・ケーブル・インターフェースどこに原因があるのか切り分ける必要があります。そうしないと、管理者はとてつもない手間になってしまいます。

一方で、コスト削減は非常に強い魅力です。

会社が PC を購入するというのは、以外と手間と費用がかかります。新規に購入する場合は、購入申請や予算、スペック確定、発注、納品、検品、インストール、設定、設置、ライセンス管理、資産管理・・・・・。税金やその他のことまで考えると、それもまた大変です。

さらに、運用は管理者が責任を持って行う必要があります。。しかも、PC はすぐ陳腐化するので、更新( 3-5年 )のたびに同じような作業の必要があります。ライセンスも会社の責任で更新する必要があるので、ボリュームディスカウントがあったとしても、莫大な金額です。

しかし、個人で持ち込めば、あるユーザが一太郎を使っていて、あるユーザが Word を使っていた場合でも、互換性を気にする必要がありません。個人の責任においてコンバートしてもらえばいいのです。

そうしたメリットを考えると、
・個人の PC スキルが高い、もしくはすぐに高くなることが期待できる
・セキュリティは、ルータやVPN、ファイアーウォール、アクセス制限によって管理する(漏洩・ウイルス対策共に)
・コストを低く抑えたい

ということが言えると思います。
ほとんどの会社は、
> ・個人の PC スキルが高い、もしくはすぐに高くなることが期待できる
の部分で NG になりそうですけど・・。どうでしょうか。


stock_value at 12:19│Comments(0)TrackBack(0)技術:04〜08年 

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