2004年09月02日
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ベンチャー企業では非常によくあることだが、ストックオプション制度がある。
あらかじめ決められた価格を支払えば、時価の株が手に入るというものである。

たとえば、権利行使価格500円で、市場株価が5000円であれば、
5000円-500円=4500円が手に入る仕組みである。

当然、株価が450円などであれば、わざわざ500円を支払って買うよりも、
市場から直接450円で購入したほうが安いので、権利は行使されない。


こうした、ストックオプションは非常に不公平な制度であると考えられる。
ストックオプションのメリットなどの詳細については、他の解説サイトに
ゆだねるとして、

1.従業員のモチベーションが本当に上がるのか不思議である。
2.株価重視の経営をアピールできるというが、株価を重視しているのであって、
  株主を重視していない姿勢もアピールすることになる。(希薄化)

などが、ストックオプションが不公平だと考える理由である。

友人でも、数名ストックオプションの恩恵を受けている人もいるようだが、
(権利の行使をしているか分かりませんが、時価を見れば膨大な利益がでているみたい)
個人単位や、受益者としてみた場合にストックオプションは、ほぼリスクフリーなので、
手放しで喜ばれるでしょう。先日の、自社の株を購入するのに、大幅な会社負担が
あるようなものです。

先日の、従業員による自社株購入は、短期的に従業員と企業の中でゼロサムです。
つまり、市場価格で株を購入し、会社が補助金を出し、従業員が補助金を受け取る。
財務的には会社は補助金の支出(-) + 従業員補助金の受け取り(+) = 相殺するので変化無し
となります。
もちろん、既存株主にとってもメリットもデメリットもありません。
長期的には、従業員=安定株主なので株価の安定・上昇があり、会社もメリットを受けることになりますが。

さて、一方でストックオプションは株の希薄化が発生します。
従業員による権利行使(+) + 企業の財務変化無し(±0) → 既存株主(-)

となるわけです。
単純に言えば、発行株式数が100で、時価総額100万円だとします。
時価総額(100万円) ÷ 発行株式(100) = 1株あたり1万円。
これが、ストックオプションをみんなが行使し、発行株式数が200になったとします。

当然、需給の変化だけなので、時価総額は変わらないので、100万円であれば、
時価総額(100万円) ÷ 発行株式(200) = 1株あたり5000円。
となるのです。

会社が痛まずに、株主が痛む。これは不公平だと思います。

逆にいえば、従業員と会社側の立場の人は積極的に権利を行使するのが、
利益の最大を目指すということになるのでしょうね。


stock_value at 11:18│Comments(2)TrackBack(1) 

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1. ストックオプション 1  [  経済的独立を達成する!! ]   2004年09月02日 19:06
投資家にとってストックオプションというのは目に見えないリスクです。 今の財務諸表には記載義務があるのでしょうが、 特にベンチャー系企業に投資をするのならば、 そのチェックは欠かせないと思います。 ストックオプションの行使は確かに株価を希薄化します。 そ.

この記事へのコメント

1. Posted by kikuyooo   2004年09月02日 19:10
syoさんのストックオプションの考察、興味深く読ませていただきました。
またトラックバックさせていただきましたので、ご覧になってください。

それにしてもsyoさんの引出しは無数にありますね!!
最近は専らsyoさんからネタをもらっているような気がします(^_^;)
2. Posted by syo   2004年09月02日 21:37
経済が大好きですからね。笑
とはいっても、そんなに引出しはないですよ。しかも知識と経験の裏付けもないし。

ただ、自営業の関係もあって「お金と信用」にはかなり敏感になりましたね。
それと株もかなり密接ですし。まあその辺はおいおい書くつもりですが・・。

ただ、最近ちょっとまじめに書きすぎてる気もするので、
そろそろゆったりしたのを書くかもしれません。
何書こうかなぁ

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